「自作PC簡単」って言う奴
自作PC組んでいる人が必ずと言っていいほど口にするこの言葉「PC組むなんて簡単だよ」。私はこの言葉は「あまりに無責任である」と考えています。本記事ではなぜ無責任であるのか、という私の考えについて少々述べていきたいと思います。
きっかけはYoutuberへの批判
以前とあるハードウェア関係の動画を投稿しているYoutuberの方が「PC組めたら就職に有利になる」というような内容の言葉を口にしたみたいなんですけど、それに対してのコメントで批判的な言葉を目撃しました。
その批判の内容とは「PCなんて組むのは簡単なんだから就職に何ら有利にはならないしIT企業で組めるのは普通」というもの。
人の考え方は多種多様であり、自分の想像の及ばない意見や全く異なる意見などもよくあるということは承知の上ですが、この意見を読んでから「PC組むなんて簡単」という発言についてよくよく考えてみることにしました。
そもそもPCを組むのは簡単なのか?
私の結論は「簡単ではありません」。
まあ結論だけ書くと誤解を生みますが、正確には「組むという作業だけなら簡単ですが、複数の要素が加わることにより専門的な知識を必要とする」です。
組むだけなら簡単
例えば「目の前にトラブルの発生しないPCパーツが並べられて、組むためのマニュアルも用意されている状態」なら四苦八苦してしまうかもしれませんが、多くの人が組めるといって問題ありません。私もそれは賛成します。
しかし、PC自作において上記のような状況が現実的でしょうか?
PCパーツが並べられている
実際にこのような状況は通常あり得ません。
現実的には、自作PCはパーツの選定から入ります。例えば「このCPUを積みたいからこのマザーボードだな」だとか「このマザーボードを使いたいからこのケースだな」とか。PCを組むということはその辺りの前提知識が必要です。
ここが結構肝で、なぜだか「PC組むのは簡単」という人はこの前提知識を換算していません。私が思う一般人は「CPUの型番でスペックは分かるけれど、チップセットって?」「メモリはわかるけれどマザーボードって?」というような人ばかりです。組む人のポテンシャルに依りますが、大多数の人がこのPCパーツ選定時点で躓くでしょう。
トラブルの発生しないPCパーツ
自作可能なPCパーツを揃えた一般人が組むにあたって何もトラブルがなく起動完了すれば良いですが、もしトラブルが発生した場合、それはある程度の知識が無ければ原因を特定することが出来ません。
繋ぐところが間違っている、繋いでいないなどの簡単なミスなら良いですが、PCパーツはそもそも自分がミスなどしていなくてもパーツ同士の相性が悪く起動しないということはあります。そういうトラブルに対しての対処法は付け焼刃の知識では対抗し得ないです。
まとめ
いいたいことはこれに尽きます。
PCパーツそれぞれの役割・特性を理解しており、自作する上での知識が最低限揃っている場合において「PC自作は簡単」である
私の結論が上記であるからこそ、軽々しく「PC自作は簡単」と口にする人は無責任であると思っています。別にそう口にする人に対して何かの意見があるというわけではありませんし、口にすることを直せとも思いません。
ただ、私はそのYoutuberの「自作PCができたら就職に有利になる」という意見に対してそこそこ同意です。ハードウェアに暗い方からしたら「よくわからないけどPC組めるので凄い」という評価を貰えるでしょう。
あと「IT企業で組めるのはふつう」という意見ですが、私は現在ITの中小に勤めています。あくまで私の会社のことで他の会社については言及できませんが、PC自作経験がある、もしくはそれに準ずる知識を持つ人は5人に1人程度です。PG/SEはプログラミング言語こそ明るいものの、ハードウェアに関しては趣味の領域で個人差があります。ハードウェア関係の会社だったらまた違うとは思いますが、ITの中小ではこの程度の割合です。20%。5人のうち1人は組めるので普通といって差し支えないと思いますが、あくまで20%なのでIT企業としても組めたら組めた方がうれしいと思います。なのでIT企業でも多少は有利に働くのではないでしょうか。
さいごに
まああくまで私の意見ですので聞き流してくれれば結構ですが、多少はこういう意見もあるんだなと思っていただければ本記事を書いた甲斐があったなと思います。
これからも続けて更新する予定ですのでぜひ見ていってくださいね。