当ブログ記事では「自作PC作ってみたいけど具体的な手順が分からない」という方向けに解説をします。本記事で扱う推奨予算などの金額概算はいずれも新品を購入する前提の話になります。
STEP01:組むパソコンのスペックを考える
まず自分がどの程度のスペックのパソコンを組みたいのかを明確にしましょう。
例えば
- ウルトラハイエンド (推奨予算50万以上~)
- サーバ機として運用したい
- 3DCGアニメーションのレンダリングを行いたい
- ハイエンド (推奨予算20万以上~)
- 最高スペックでFPSゲームがしたい
- Youtubeにアップする動画の編集がしたい
- 4Kで映画がみたい
- ミドルエンド (推奨予算10万以上~)
- スペックがあまり必要ないシミュレーションゲームなどがしたい
- ローエンド (推奨予算10万以下)
- Officeで資料の編集がしたい
- ネットサーフィンがしたい
- プログラミングがしたい
- 高音質で音楽を聴きたい
推奨予算は概算です。ミドルエンドも中古などを購入し価格を極力抑えれば10万以下で作れるかもしれませんが、あくまでここでは新品で組むことを前提として考えています。
ゲームマシンとして組む場合は、プレイしたいゲームの推奨スペック・最低スペックを確認すると明確で速いです。自分の予算と比較して、どの程度までスペックを積むかをしっかりと検討しましょう。
STEP02:必要なもの準備する
PCとして必要なものは7つになります。
- CPU (パソコンの頭脳)
- CPUクーラー (パソコンの頭脳を支える部品。無いと最悪CPUが壊れる)
- マザーボード (CPUとかメモリとか全てと繋がる部品)
- メモリ (無いと動かない。少しでもいいから必要)
- 電源ユニット (これが無いと電気が供給されない)
- ストレージ (OSを入れる以降の段階で必要)
- PCケース (無くても動くけどホコリかぶるし普通ある)
正直これだけあればPCとしては完成です。いやあ簡単簡単。
あとはオプションですね、パソコンでゲームや動画編集、音質にこだわる場合に必要なものです。
- グラフィックボード (ゲーム、動画編集、AMD社製CPUの場合は必要)
- サウンドカード (高音質で音楽鑑賞、音質にこだわる人は必要)
とはいえ何を選べばいいのか分からない!
一口にCPUといっても様々なグレードがあります。初心者の方はどれを選べばいいか迷ってしまいますよね。なので選定のポイントを書いておきましたので参考にしてください。詳しくは別記事へ。
- CPU→用途に合わせたスペックのものを選定。
- CPUクーラー→OCしない限りリテールでOK。光るやつとかあるよ。
- CPUグリス→CPU購入時に付属してくるもので十分
- マザーボード→CPUのソケットに対応しているものを選定。
- メモリ→マザーボードに対応している規格を選定。光るやつとかあるよ。
- 電源ユニット→少し余裕があるものを選定。大きくても消費する電力は同じなので大きければ大きいほど良い。認証があるとエコ。電力は計算する(参考サイト)。
- ストレージ→SSDで最低500GBあればいい、後から拡張可能なので適当。
- PCケース→マザーとグラボのサイズに注意してデザインが好きなの選ぶ。
STEP03:静電気に注意する
自作PCの基本である「静電気」のお話をしておきます。準備が出来たら組み立て工程の入りますが、組み立て工程は静電気に十分注意して実施しましょう。
静電気対策は色々ありますが、まあ過剰に対策する必要はありません。私は「組み立て前に金属に触れる」くらいしかしていませんね。心配性な方は十分対策しても良いです。
- 最低限しておこう!組み立て前に金属に触れる
- 部屋の湿度を上げる (出来るなら風呂場でも良いけどシャワーとか掛けないようにね)
- ナイロンやポリエステルの服装は避ける
- 静電気防止シートを敷く
- 静電気防止リストバンドをする →結構邪魔です
- 静電気防止手袋をする →細やかな作業が多いので向きませんし邪魔です
STEP04:マザーボードにCPUを取り付ける
パーツの準備が出来たら組み立てに入ります。まずはマザーボードにCPUを取り付けましょう。
CPUソケットのふたを外す
Intel、AMD共に端にあるバーを上げてふたを外します。
CPUをマザーボードに載せる
CPU側に印があるのでそれを目印に載せます。CPU(マザー)のピンを折るのは自作PCあるあるですので注意してください。
ふたを閉める
STEP05:CPUクーラーを取り付ける
取り付け方はCPUクーラーによって異なります。以下リンク先を参考に取り付けてください。
intel製リテールクーラーの取り付け例
簡易水冷の取り付け例 (H100i RGB PLATINUM SE)
STEP06:メモリを取り付ける
メモリは基本2枚1組で利用します。マザーの説明書に優先スロットが書いてありますので、2枚の場合は優先スロットに挿しましょう。
留め具(ノッチ)を外す
両端、または片側に留め具(ノッチ)があります。まずこれを外側に押すように外します。
向きを確認
メモリ側の切り欠きを見て、挿入する向きを確認します。
メモリを挿す
メモリをマザーと並行に持ち、両側から押し込みます。成功すると先ほど外したラッチが自動で閉じます。
STEP07:最低環境で動作確認を行う
PC起動に必要なパーツは、CPU、CPUクーラー、マザーボード、メモリ、電源ユニットのみです。これらが最低パーツになりますので、相性などをチェックするために一度動作確認を行います。
この時点で起動しないなどのトラブルがあれば、原因が限定されますので特定が楽になります。完成状態でトラブルが発生すると原因が分かりにくいので、慣れないうちは確認しておきましょう。
電源ユニットをマザーボードにつなぐ
マザーボードの電源供給に24pin、CPUの電源供給用に8pinを挿します。
マザーボードの映像出力端子とディスプレイをつなぐ
マザーボードの映像出力端子とディスプレイをケーブルで繋ぎましょう。
電源ユニットはコンセントとつなぐ
電源ユニットとコンセントを繋ぎます。
PCケースの電源ボタンとマザーボードをつなぐ
PCケースの電源ボタンと繋がる端子がケース内にありますので、それをマザボに繋ぎます。マザボの種類によっては基板上に電源スイッチがあるものもあります。
電源ONで確認
電源ユニットの電源をONにし、PCケースの電源ボタンを押すと起動します。接続したディスプレイにBIOSの画面が表示されていればこの時点までは成功しています。成功したら感電防止のため電源ユニットの電源をOFFにしましょう。
STEP08:PCケースにマザーボードを取り付ける
バックパネルを取り付ける
マザボの箱の中にあるバックパネルをPCケースのバックパネルの穴に取り付けます。最初は結構難しいですが、隅から順番に嵌めていけばちゃんと嵌まります。
PCケースにスペーサーを取り付ける
PCケースにマザーボードを取り付けるスペーサーと呼ばれる部品を取り付ける場所があります。スペーサーはPCケースによっては既に付いている場合もあります。
マザーボードをPCケースに取り付ける
バックパネルにマザボの端子類を嵌め、マザボのねじ穴からスペーサーが見える位置までマザボを動かし、マザボ付属のねじで取り付けます。微妙に穴がずれていたり、マザボ自体が反れていたりする場合もありますが押さえながら取り付けます。
STEP09:電源ユニットを取り付ける
PCケースの電源ユニット部に取り付ける
ケースに電源ユニットを取り付ける箇所がありますので、内側から嵌めるような形で取り付けます。
ねじで固定する
取り付け後は外側からマザボ付属のねじで固定します。
配線
PCケースにマザボを固定する時に外したケーブルなどすべて配線します。
STEP10:グラフィックボードを取り付ける(任意)
PCIeスロットの隣にあるブラケットを外す
グラボはマザボのPCIeスロットに取り付けます。PCケースにブラケットと呼ばれる金属の板みたいなのが目隠しとして使われていますので、ドライバーを使ってねじを外し、抜くように外します。
外すブラケットはPCIeスロットにグラボを一旦重ねてみて確認をします。
スロットの留め具を外す
メモリと同じように、留め具がありますので外します。
PCIeスロットにグラフィックボードを挿す
PCIeスロットの位置にグラボの位置を合わせ、押し込むように挿します。ブラケットの外す位置が間違っていると押し込めませんので再確認してください。押し込んだ後はブラケットを固定していたねじでグラボも固定します。
補助電源を挿す(種類による)
ハイエンドのグラボはマザボからの電源供給だけでは間に合わないため、補助電源と呼ばれる電源を挿してあげる必要があります。補助電源が必要なものは前面にピンがありますので対応するピンを電源ユニットから挿します。
STEP11:ストレージを取り付ける
マウンタにストレージを取り付ける
ストレージは大きさによってつける場所が変わる可能性があります。3.5インチ2.5インチとありますので、お手持ちのケースのマウンタに取り付けます。
配線
マウンタに取り付けることが出来たら、データ転送用のSATAケーブルと、電源ユニットから電源用のケーブルを繋ぎます。
完成
起動確認を実施し、その後OSやドライバのインストールに移ります。
上手くいかない場合
CMOSクリアしてみる
マザーボードによっては構成を変えたらBIOSの初期化をしなければいけないものもあります。マザーボードの型番によってやり方は異なりますが、当記事はASUSのZ170マザーのCMOSクリアの方法について解説しています。