今回はFonePaw開発の画面キャプチャソフトの「PC画面録画」についてレビューしていきたいと思います。
FonePaw PC画面録画
「PC画面録画」はその名の通り、PCの画面を録画することが出来るソフトウェアです。また、本ソフトで出来る録画は動画だけではなく、音声レコーダー、スクリーンキャプチャの機能も兼ね備えています。大きめで分かりやすいUIが採用されており、PCにあまり詳しくない方でも簡単に録画や動画サイトでの配信を行うことが出来ます。
また、動画レコーダーやスクリーンキャプチャは想像以上に高機能で、範囲指定はもちろん、ペン、丸・矢印などの図形、ぼかし、ナンバリングなどが可能です。
動画レコーダー
範囲指定
録画範囲の指定について、上記の参考画像はメニューの画面ですが、解像度はフルと自定義が表示されています。フルにするとディスプレイ全体の録画、自定義はマウスのドラッグ、または数値で範囲指定が出来ます。
この辺りは一般的な録画ソフトであれば兼ね備えているものですが、「REC」の下部に表示されている「録画モード」から、録画領域をマウスの位置に従って動的に変化させたり、ウィンドウロックをするとウィンドウを動かしてもその動きに追従して録画領域を動かす、なども可能です。
1. ウィンドウ固定
ウィンドウ固定は、該当のウィンドウを移動させると、その動きに合わせて録画範囲がそのまま移動するという珍しい録画方法です。単一のウィンドウのみ録画したいという用途には最適な機能で、ウィンドウ範囲を一々手動で指定するよりも楽に範囲の指定を行えます。
- REC下部の「録画モード」から「ウィンドウロック&録画」を選択
- ドロップダウンリストまたはターゲットマークから録画ウィンドウを選択
- 録画を選択
テスト動画では製品サイトをブラウザに表示させてウィンドウ固定の動画を録画しています。結果は下記の通りです。
- 録画ウィンドウの上に別ウィンドウを重ねる→別ウィンドウも範囲内であれば表示される
- 録画ウィンドウの移動→多少タイムラグがあるが追従してくる
- 録画ウィンドウの大きさ変更→録画領域の可変はしない
2. 録画除外ウィンドウの指定
録画画面に映ってほしくないウィンドウは除外設定をすることで、録画領域にウィンドウを重ねても録画されなくなります。私もありますが、録画するときに個人情報などを映してしまうと、そのたびに撮り直しをしなくてはならないので、この機能は非常に便利だと思います。
テスト動画ではウィンドウの除外テストを行っています。画面に表示されているFonePawの製品ブラウザ以外は除外してあります。
序盤は、ちゃんと除外されておりウィンドウ非表示のため何も見えませんがぐるぐるとカーソルが動いている時は除外設定したウィンドウを動かしています。動画18秒辺りで新規でメモ帳を開きましたが、この新規メモ帳は除外設定をしていないので表示されています。
- 除外されているウィンドウ→ちゃんと非表示にされている
- 新規のウィンドウ→除外設定をしていないため表示されている
3. マウス追従
テスト動画では録画領域720pでマウス追従にしました。特に問題も無く、マウスを範囲外に動かそうとすると自動的に録画領域が動いています。使う場面は限られてきそうですが、十分に使える機能だと思います。
マウスカーソル
マウスカーソルは表示/非表示が選択できます。説明する場合などにカーソルは見えにくいので、何かの説明動画などを作る際には分かりやすくとても良いです。
マウスカーソルを表示する | マウスカーソルの表示 |
マウスの動作を録画する | クリックした時、カーソル付近が指定色になる。ドラッグの場合はクリックの瞬間だけ指定色になる。 |
マウスのエリアを録画 | マウスカーソル部分を指定色で強調表示 (ぼんやりと丸く色づく) |
動画出力
出力形式 | WMV / MP4 / MOV / F4V / AVI / TS / Gif |
コーデック | H264 |
品質 | 劣 / 低 / 中等 / 高 / 最高 / 無損失 |
フレームレート | 20fps /24fps /25fps /30fps / 60fps |
基本的な出力形式は揃っているので、一般的な使い方であれば特に問題無いでしょう。VideoProcは対応出力形式が5種類だったので、それに比べても少し多いくらいです。品質は恐らくビットレートのことだと思いますが、分かりやすさを重視しているのか値では指定出来ません。
フレームレートも20fps~60fpsと、上限は60fpsまでです。ゲーム録画ソフトと謳いつつ、30fps程度しか録画できないようなソフトもありますが、本ソフトは一般的なゲームの60fpsも録画可能です。ちなみに、もし60fps以上で録画出来たとしても、視聴者が高リフレッシュレートの環境で見れず、スタッタリングの原因となるので、ゲーム動画であれば60fps、それ以外の動画であれば30fpsがオススメです。
タスクスケジュール機能
録画開始時間や繰り返し設定などを設定できるタスクスケジュール機能もあります。例えばAbemaTVやニコニコ生放送など、動画サイトでは後からタイムシフトが見れない、または有料の場合があります。そのような場合にこのタスクスケジュール機能を使い、画面の録画を行うと、いつでも好きな時に見ることが出来ます。
音声レコーダー
音声レコーダーは動画は無く、音声のみ録音することが出来ます。設定項目も非常にシンプルで、システム音やマイク音の音量も調節することが出来ます。
音声出力
出力形式 | WMA / MP3 / M4A / AAC |
音質 | 劣 / 低 / 中等 / 高 / 最高 / 無損失 |
音声出力は4種類ですね。Windowsデフォルトの音声レコーダーではM4A形式のみしか対応していないので、MP3など使いやすい形式があるのはありがたいです。
スクリーンキャプチャ
キャプチャの編集画面です。メニューのスクリーンキャプチャをクリックすると、領域を選択する画面になります。領域選択後、編集メニューが表示されるので、編集を行う場合は編集をし、その後保存出来ます。
編集メニュー
それぞれの編集ツールは色やテキストの大きさ、線の幅なども変えることが出来ます。これだけ説明用の作画ツールのプリセットがそろっている画像編集ソフトもあまり無いので非常に有用です。特に四角、楕円、矢印、ぼかし、ナンバリングあたりは非常に使えると思います。
- 四角
- 楕円
- 直線
- 矢印
- ペン
- スプレー
- 文字
- ぼかし
- ナンバリング
編集済みの画像を常に最前面表示
これは結構驚いたのですが、編集項目の左端にあるほうきのようなマークをクリックすると、編集済みの画像を保存しなくても、常に最前面に表示することが出来ます。最前面に表示されている最中は通常通り録画・録音を行うことが出来るので、常に何か表示しながら録画することが簡単に可能です。
さいごに
本記事で紹介した「PC画面録画」は無料試用版がありますので、気になった方はぜひダウンロードしてお試しください。
生放送録画や操作の難しいソフトの説明動画を作成する際など、利用できる場面が多いソフトだと思います。動画キャプチャはWindowsはデフォルトでありませんので、何かしらソフトウェアを利用しなければならないところですが、この「PC画面録画」は高機能なので十分使えると思います。
先日紹介したVideoProcにも同じキャプチャ機能がありますが、これほど高機能ではありません。録画したい場合にはやはり録画に特化した本ソフトのようなものが良いと感じました。ただ、リアルタイムでYouTubeやニコニコ動画などに生配信することは出来ないので、配信用として購入する場合は注意が必要です。